事業活動で排出される産業廃棄物の中には多くの活用可能な資源が含まれています。適切な分別・分解が行われないことで、資源も産業廃棄物として処理・処分されてしまっているのです。
本来であれば削減可能な量の産業廃棄物がそのまま処理・処分される状態は、自社の産業廃棄物処理費用を増やしているだけでなく、地球の自然環境にも悪い影響を与えています。
産業廃棄物処理場が不足し、産業廃棄物自体を減らすことが重要視されている今では、産業廃棄物の資源化は全ての排出事業者が意識し目指すべき行動だと言えるでしょう。
今回は産業廃棄物の資源化による産業廃棄物処理・処分費用の削減について紹介します。自社のゴミの扱いを見直したいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
今まで捨てていた産業廃棄物を資源化
産業廃棄物の資源化を行うために、排出事業者で実施しなくてはいけないことは、大型機器の導入など多大なコストのかかるものではありません。
事業活動で排出されるゴミの正しい分別・分解によって今まで捨てていた産業廃棄物が資源化できるのです。
つまり、ほんの少しの工夫によって産業廃棄物が資源化できるということです。
産業廃棄物の資源化は産業廃棄物処理・処分にかかっている費用の大幅削減につながります。
産廃費の仕組み
産業廃棄物を処理・処分するために必要な費用のことを産廃費と呼び、産廃費は多くのものが混ざっているほど高額になります。
排出事業者にとって「不要なもの」「いらないもの」であったとしても、その中に資源化できる有価物が含まれていれば、産業廃棄物を減らして売却益が得られる場合もあるでしょう。
【産廃費の処理料金の例】
混合廃棄物:13,000円/m3(廃プラスチック・紙くず・木くずなどが混ざったもの)
廃プラスチック:80〜100円/kg
紙くず:15円/kg
木くず:20円/kg
この例で産業廃棄物を計算してみると、1トンの分別できていない産業廃棄物は処理に10万円が必要となりますが、適切な分別ができていれば同じ量の産業廃棄物でも1,500万円まで産廃費が節約できます。
つまり2,300万円もの費用が節約可能であり、資源売却が行われれば、より産廃費を安く抑えられるのです。
行うべき行動は「分別・分解」だけであるのに対し、非常に多くの産廃費節約効果が得られると言えるでしょう。
分別に取り組もう
先ほど紹介した結果を見れば、誰もが産廃費の節約に向けて産業廃棄物の分別に取り組みたいと考えると思いますが、いざ改善を始めようと思っても、何をどうすれば良いのかが分からないものです。
ここでは、産業廃棄物の分別ステップについて紹介いたします。
まずは学内・社内で発生する不要なものが、どこで・どれだけの量生じているのかを把握します。
次のように、社内のゴミの発生源ごとに発生原因・材料・量を調査してください。
どこで・どの工程でゴミが発生しているのかを確認します。
種類
排出されるゴミの種類を把握します。複数の種類のゴミが排出される場合には全ての種類をリスト化しましょう。
排出段階から、排出された別の種類の廃棄物と混ぜないようにできると良いです。
処理状況
現段階で、排出されたゴミがどのように処理されているかを確認します。産業廃棄物の資源化に向けて改善するべき点があれば積極的に変えていきましょう。
発生量
毎日・毎週・毎月などの単位で、どの程度の量のゴミが発生しているのかを確認します。可能であればゴミの排出量自体を抑えられる方法を探してみるのも良いです。
少しずつの工夫でも、社内全体で取り組むことで大きいな成果につながります。
先ほどのステップで調査したゴミを内容別に細分化し、リサイクル可能なものと分けていきます。
ゴミを分別する仕組みを整備し、マニュアル作成や社員教育を行えば、組織全体で正しいゴミの分別・分解・資源化が進められるでしょう。
資源化率などの目標を掲げてゴミの扱いに対しての取組みを評価するシステムの活用によって、作られたゴミの処理・処分システムが社内に浸透しやすくなります。
一部の担当者だけではなく、全社員が同じ意識を持ってゴミの分別・分解・資源化に取り組むことが理想です。
分類したゴミは弊社で資源を売却し、廃棄物は適切に処理・処分します。
弊社での処理・処分前に廃棄物が正しく分別・分解できていることによって、産業廃棄物・一般廃棄物・資源が混ざっているような状態よりも、ずっと産廃費を節約できるでしょう。
まずは専門業者に相談しよう
産業廃棄物の処理・処分は廃棄物処理法に従って適切な方法を選ばなくてはいけません。万が一誤った判断をしてしまうと、思わぬ罰則を受ける恐れもあります。
そのような事態は、産業廃棄物はもちろん廃棄物全般の知識が豊富な専門業者に相談することで防げます。
各排出事業者ごとに、最適な廃棄物処理の方法は違ってくるものであり、専門業者であれば排出事業者に最適な方法の廃棄物処理・処分方法がアドバイスできるのです。
産業廃棄物とされているゴミの中には資源化可能なものが含まれていることを意識し、ゴミを分別・分解・資源化していきましょう。
関連ページ
お問い合わせ
CONTACT
